INTERVIEW

新聞withデジタル。メディアの未来変える「編集DX」システム開発へ

新卒入社システム構築DX推進デジタルメディア

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MASUMI.K

制作局 新聞技術部

2022年入社/新領域創成科学研究科先端生命科学専攻

入社のきっかけ

「顧客の本当の望みは何か」
突き詰め、MEを学ぶ

 大学院の研究テーマは「縄文犬」でした。「最古のペット」として人に飼われていました。遺跡から出土した骨の同位体分析を行い、縄文時代の日本列島での食生活や行動範囲を考察しました。論文の書き方を教授から約2か月みっちりとレクチャーされたのが、良い思い出です。文章を書くスキルの奥深さを感じました。「人に何かを伝える仕事」に興味を持つようになりました。
 就活は業種を絞らず、70社以上調べ、会社説明会に出向くなどしましたが、最も印象に残ったのが読売新聞のインターンシップでした。メディアエンジニア(ME)の仕事で重要な「要件定義」を体験するため、業界の例え話で有名な「ブランコの木」を学ぶワークに挑戦しました。「顧客の本当の望みは何か」を突き詰め、綿密にコミュニケーションをとる。ワークで体験した過程が、論文で試行錯誤した「物事を順序よく組み立て、簡潔に伝える」大切さと重なったのです。終了時間が過ぎても尽きない質問に社員が居残りで対応していたのも好印象でした。「読売に入ったら面白い仕事ができそうだ」と魅力的に映りました。

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携わる業務内容

紙とデジタルいずれにも適応。
新プロジェクト始動

 新聞制作の現場は、取材や原稿の執筆、編集、紙面構成などいくつものステップを踏みます。私の部署は技術面から新聞制作に関わり、記者の原稿・写真の編集ソフトウェアや紙面レイアウト用のシステム端末を運用しています。
 紙面制作に関するシステムは記事用や広告用など20以上に分かれています。複数のベンダーに発注して築いたもので、20年以上稼働しているシステムもあり、構築当時を知る技術者が少なくなって、維持管理のコストが膨らむ問題も生じています。搭載した機能が使われなくなるなど、ユーザー(編集現場)目線でも使い勝手の悪さを感じるようになりました。
 元々は紙の新聞制作を主眼に置いたシステムですが、インターネットの普及で、記事や写真・図表をデジタル向けにも配信するようになり、メディアの変化、多様化への対応が課題になっていました。
 編集現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進め、業務を効率化するため、ITコンサルティング会社「フューチャーアーキテクト」と新たな新聞制作システムを共同開発するプロジェクトが始まりました。

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やりがいと課題

記者の「百科事典」を作る。
飛び交う情報をキャッチアップ

 この編集DXプロジェクトは、記事の出稿から編集に至るまでの一連の作業を紙面とデジタルの両媒体で効率的に行う「統合編集システム」の導入が柱です。2025年の稼働予定で、読売が掲げる「新聞withデジタル」をシステム面で一層推進します。20以上に分かれて複雑化したシステムの数を減らし、構築や運用の費用を削減する狙いもあります。
 プロジェクトが正式に始まった2022年春と私の入社とが重なり、いきなり企画会議に加わりました。飛び交うテーマや専門用語はわからないことだらけ。現行システムに関する資料を掘り起こしたり、先輩に質問を重ねたりしてキャッチアップ(追い上げ)に必死でした。実際に編集系のシステムを触ってみて理解を進めました。
 現在、このシステムの一部で、読売新聞に掲載された記事を蓄積した社内向けデータベース(DB)の検索画面の開発を任されています。1874年(明治7年)の創刊から150年分、1500万件以上もの記事を検索・表示できるデータベースは、記者にとっては執筆に欠かせない「百科事典」のような重要ツールです。大学に例えれば、歴代の学生が執筆した全ての論文を参照できるイメージでしょうか。

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読売の未来、技術者としての目標

勉強と仕事を両立し、
後輩に
還元できるエキスパートに

 私が関わるのは一部分ですが、重要なシステムの開発に責任を持つ、挑戦しがいのある役割です。
 メディアの変化の話に戻ります。デジタル分野の伝達手段は、自社の配信サイトやSNSアカウントに加え、報道各社の記事が集まるポータルサイト、スポーツや自動車など特定分野に絞ったバーティカルメディアなど、広がる一方です。コンテンツは、文字からなる記事、写真・図表、動画にとどまらず、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)の活用も進んでいます。
 媒体に捉われず情報を届けて、多様化する読者のニーズに応える。新システムはそんな「コンテンツファースト」の時代に適応する試みとなりそうです。「業界を変えるシステム作りに関わった」と胸を張れるように開発を続けたいと思います。
 新1万円札の顔となる渋沢栄一の遺した「無欲は怠惰の基である」が座右の銘です。業務に必要なプログラミングの勉強を続けています。勉強と仕事の両立は、大変だと思う時もありますが、自分の力になっています。いずれは業務の全体像を示して、後輩に還元できる一人前のエキスパートになるのが目標です。

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ある日のスケジュール

オフの日

  • ドライブや旅行、冬はスノーボードなど、アクティブに過ごすことが好きです。夏休みには人生初の海外旅行で台湾へ行きました。旅先の料理を味わうのも楽しみの一つです。

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