INTERVIEW

MEの仕事は無限に広がる。グループ横断のシステム開発で新たな形をつくる

新卒入社DX推進デジタルメディアグループ支援

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KOKI.H

DX推進部

2020年入社/理学府 地球惑星科学専攻

入社のきっかけ

宇宙の研究をやりきった先に、
「新たな可能性の扉」が開いた

 宇宙に興味があり、大学・大学院に計9年間在学しました。「ファーストスター(初代星)」と呼ばれる、宇宙で初めて出来た星の研究に取り組みました。宇宙は約138億年前、空間も時間も存在しない「無」から、ビッグバンという大爆発で生まれたとされます。初代星の存在を示す決定的な証拠は見つかっておらず、スーパーコンピューターを用いて宇宙初期の環境を数値シミュレーションするなど、時間を忘れて研究に没頭し、やりきったという満足感がありました。
 研究職ではなく、幅広い分野を知ることができる仕事に就きたいと思い、電機メーカーや総合化学メーカーのSEやSIer(システムインテグレーター)を考えていた時、学内の就活イベントで読売新聞の技術者と出会いました。開発や研究に寄り過ぎず、色々な仕事が経験できるメディアエンジニア(ME)の職種を知り、「新たな可能性の扉」が開いた気がしました。大学は九州です。わざわざ足を運んでくれたことも純粋に嬉しかったですね。

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携わる業務内容

未掲載「ヤレ写真」に脚光。
AI駆使し二次利用拡大へ

 AI(人工知能)などの先端技術を使い、グループ各社をまたぐシステムを開発しています。
 携わる業務の一つに、「写真検索システム」があります。写真記者が撮影した膨大な写真をクラウドで一元管理し、新聞紙面や読売新聞オンラインの掲載のほかにも、効率的に二次利用できるようにする仕組みです。
 写真記者は膨大な写真を撮影します。例えば、プロ野球巨人戦1試合だけでも1000枚を超える写真を撮影していますが、紙面や読売新聞オンラインへの掲載はごくわずかです。未掲載写真は以前、個別のハードディスクに保管され、ほったらかしに近い状態でした。未掲載写真は「ヤレ写真」と呼ばれます。「ヤレ」は印刷業界の用語で、商品として扱えない無駄な紙を指すことが由来です。しかし、写真の画像データは、決して無駄ではありません。
 写真検索システムは、AIによる画像解析技術を用いて、クラウドに保管した画像データを検索します。プロ野球の写真であれば、写真に写っている選手が誰か、どんなプレイシーン(ピッチング、バッティング等)の写真なのかを画像解析により判別させています。選手の写真を使ったファングッズを作るのに、より多くの候補写真から、選りすぐりの一枚を使えるようになりました。

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やりがいと課題

0.1円単位のコスト減、
積もれば大きな効果。
収入増へ外販模索も

 写真検索システムには課題もあります。利用開始がコロナ禍と重なり、マスク姿の写真が多くなりました。顔認証の技術を使いますから、どうしても検索の精度が落ちます。さらに、クラウド上のアーカイブは毎年約500万枚のペースで増えています。巨人のほかにも五輪・パラリンピックなどの写真をクラウドに蓄積し、1億枚に迫る勢いです。膨大な写真を保存し、必要な時に検索で取り出せるようにするには、一定のコストがかかります。当初は1枚の写真を保存し検索するのに0.3円かかりましたが、工夫を重ね、現在は0.1円まで費用を削減できました。
 コスト削減とともに、収入を増やすことが重要です。例として、写真検索システムを使いやすくして、読売新聞が撮影した国内写真を海外メディアなどへより多く有料掲載してもらう案があります。写真の二次利用や外販は、権利関係を含めて、慎重な調整や検討が求められるのですが、収益性の高いビジネスが展開できると思います。

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読売の未来、技術者としての目標

好奇心は尽きない。
やるからには自分が一番詳しくなる

 SNSなどネット媒体は、興味の強い分野や人とつながりやすい反面、常に似たような意見と情報を見聞きして思考が偏る「エコーチェンバー」のリスクがあります。新聞は、紙ならではの一覧性があり、多分野の正確な情報を得られます。思いがけないニュースとの出会いが、視野を広げるのです。読売は「新聞withデジタル」を掲げ、私もDX推進の立場で貢献していきます。
 読売グループは新聞発行を主軸に、巨人軍やよみうりランド、読売旅行のほか、美術展の企画など多彩な事業を抱えています。直近の仕事では、美術展の図録やグッズを販売するECサイト「美術展ナビオンラインストア」を構築しました。美術展の集客はアナログで、人が実際に動く仕事です。デジタルを掛け合わせれば、もっと収益を高められます。
 デジタル技術の進歩は目覚ましく、みなさんが社会人になる頃には、全く違う仕事をしているかもしれません。MEには無限の可能性があり、「やるからには自分が一番詳しくなる」と思って楽しく働いています。毎日が新鮮で、知的好奇心は尽きません。

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ある日のスケジュール

オフの日

  • パン屋巡りをよくしています。
    最近は雰囲気良さげな、おいしそうなコーヒーショップ探しにもハマっています。写真は最近見つけたお気に入りのショップでの一枚です。

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